戦争は女の顔をしていない(1巻~3巻) 角川コミック 本の紹介

 2022年04月12日ライブドアブログ(移動)
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ウクライナとロシアの戦争報道を連日耳にします。
当たり前のことですが日本に居る人には「実感がない」というのが人々の現実的な感想なのではと思っています。
報道で戦闘シーンを放映したり、ロシア軍が撤退した街の虐殺された「ウクライナ市民」の潰れた死体をモザイクをかけ放映しているが、なぜかテレビゲームの画面で繰り広げれれる戦争ゲームの風景かと思ってしまった。

そして、出版業界の話題では「全国書店員が選んだ、いちばん!売りたい本」のキャッチフレーズの「本屋大賞」が4月6日発表され、ソ連とドイツの戦争を題材にした小説「同志少女よ、敵を撃て」が(2022年/本屋大賞)を射止めたと報道があり、絶好のタイミングすぎると唸ってしまった。
この「同志少女よ、敵を撃て」は2021年アガサ・クリスティー賞(大賞)を受賞していて戦争ミステリー小説に分類されるようです。
ミステリーファン方々は読んでみましたか。


この小説を読んだ方の書評に「戦争は女のしていない」というルポルタージュの本が基本となって、この小説を書いたのではないかと考察する読者がいたり。
ある読者は、この本を読んだ人々が「犠牲を払ってファシストを倒し、平和を作り上げたソ連(ロシア)」というプロパガンダに染まってしまうのではと危惧していたり、確かに本屋大賞発表のユーチューブのコメント欄にはロシア市民へ寄り添うコメントがあったり、この本の作者:逢坂冬馬さんは受賞会見で、政府(プーチンと権力者)とロシア市民(テレビ局の一人のアナウンサーを例にしている)を分けて考えるべきと発言しているが、ウクライナで虐殺を実行している「ロシア兵」はロシア国民であり、また平和団体といわれる「ロシア兵母の会」の人たちはロシア市民なのだが、戦争を止めろという大きな声をいまだ聞かない。

戦争の最前線は「殺さなければ、殺される」という歴史の現実を見せつけられているのに、戦争は経済的規模や、国民や市民がいなければできない事を見せつけられているのに、
権力者に焦点を当て批判してしまう「メディア・知識人・作家そして一般市民国民」
新しい考え方は無いのか、永遠の課題なのか。

日本は1945年8月15日を終戦とし、今年2022年、戦争に負け77年目の夏を迎える。
戦争について、市民や国民は何も考えてこなかった77年間だったのか。
「反省するのは、猿でもできる」という皮肉な言葉があるが、反省の向こう側に何があるのか。人々はまだ向こう側にたどり着けていないのか、今年も反省する夏が来ます。

4月10日、地元にあるチェーン店の書店に立ち寄ってみたところ「同志少女よ、敵を撃て」が山積みに陳列されていて、本の帯には「本屋大賞・受賞作品」と大きく印刷されていた。
メディア戦略に影響されて購入してみるのも、読書体験を広くするには良いことかもしれない。

「戦争は女の顔をしていない」はノンフィックションであり、「同志少女よ、敵を撃て」はミステリー小説です。ともにソ連とドイツの戦争を題材にした物語ですが、レポートとライトノベルという性格の違う書籍ですから物語には軽重があります。事実としての本、娯楽としての本という考え方で、この本たちと向き合えば楽しい読書体験ができるのではと思っています。素敵な本との出会いを祈っています。





書名:戦争は女の顔をしていない(角川コミック:1巻~3巻)
原作:スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ
監修:速水螺旋人
作画:小梅ケイト
出版:株式会社KADOKAWA
定価:1000円+税

書名:戦争は女の顔をしていない
著者:スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチ
訳者:三浦みどり
出版:株式会社 岩波書店
発行:2016年02月16日 第1刷発行
   2022年04月15日 第14刷発行
定価:1400円+税
*文庫本 498ページ 厚さ2.1センチ 紙の本

書名:同志少女よ、敵を撃て
著者:逢坂冬馬
出版:株式会社早川書房
発行:2021年11月17日
定価:2090円


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