性から読む江戸時代/生活の現場から 沢山美果子 本の紹介

 *眠れぬ夜に本の紹介。

DSCN2467
小林一茶はなぜ妻との交合をつぶさに書き溜めたのか。
生まれた子は自分の子ではないと言い張る夫と妻の争いの行方は。
難産に立ち会った医者の診療記録にみる妊婦の声、町人が記す遊女の姿・・・
資料の丹念な読み込みから、江戸時代に生きた女と男の性の日常と、その背後にある
「家」意識、藩や幕府の政策に迫る。(表紙解説より)

西洋のキリスト教とそれを基礎とすると西洋哲学などをもって、男女の快楽への希求を
検証している。そうすると、どうしても体制批判、政治批判にたどり着く文章の進み方
になってしまう。左翼主義、革新主義、抵抗する側に立つという使命を背負った、
岩波書店の特色は充分この本でも花開いているが、何故か、「性、哲学 宗教、学問
に対する自慰行為なのでは」という言葉がよぎった。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------
売春は、古い時代から続く職業と言われている人類社会の背景や、女性に関連しての
考察「女性のエロス」はマネタイズ(現金化)できる特権を持っているということは、
誰もが気づいていたが、研究することはタブーとしたアカデミズム界隈のお約束の
ため、売春に関わる女性の「社会」
「心理」「肉体」「言語」の人類学/民俗学的
研究資料がない脆弱な状態を、無視している著者に疑問をもちます。

*以前に書いたのですが、橘玲氏の著書で知った「エロスの現金化」という言葉を
知ったときに、私が思ったことをブログに書き留めた文章です。
沢山美果子 博士は、1998年の「出産と身体の近世」の論文で、日本近代における
農村の性に関する実証的研究を行い博士号を取得、これまでにない研究として高く
評価されました。私は
アカデミズムのタブーを破る研究者だと思いました。
現代の今この時点でも、生理の話を男女が女性同士が真剣に話すことができない
ことは、性/生殖/快楽を語れない現実だと感じませんか?
より良き男女の関係性を模索するためには、
沢山美果子 博士の研究の発展と、
その研究方針を受け継ぐ研究者が現れることを
願いたいと思います。
屈折した認知を持つ私の思いでした。

*沢山美果子 博士(さわやま みかこ)著者略歴
・福島県 1951年~
・お茶の水女子大学大学院修了(1979年)
・1998年論文「出産と身体の近世」で博士
*著書
・「性と生殖の近世」出版:勁草書房(2005年)
・「江戸の捨て子たち その肖像」出版社:吉川弘文館(2008年)
・「近代家族と子育て」
出版社:吉川弘文館(2013年)
・「江戸の乳と子ども いのちをつなぐ」出版社:吉川弘文館(2016年)
DSCN2461
(目次)
第1章:交わる、孕む ー 小林一茶「七番日記」
第2章:不義の子をめぐって ー 善次郎ときやの揉め事
第3章:産む お堕す 間引く ー 千葉理安の診療記録
第4章:買う男、身を売る女 ー 太助の日記
第5章:江戸時代の性

書名:性からよむ江戸時代/生活の現場から(岩波新書)新赤版
著者:沢山美果子(さわやま みかこ)
出版:株式会社 岩波書店
発行:2020年08月20日 第1刷発行
   2020年09月25日 第2刷発行
定価:820円+税
*190ページ、厚さ9ミリの紙の本です。

◇本屋さんをのぞいてみませんか、紙本を読んでみませんか。

〇初めまして読書室Totoと申します。
ライブドアブログ「読書室Toto」で、本の紹介を書いています。
このたび(グーグルblogger)を開設しました、ライブドアブログと同じ内容ですが
、どうぞよろしくお願いいたします。
ブログ名「紙乃惑星/ペーパープラネット」は30年前に開業した古本店の屋号です。

当店は「読書室」「自習室」として営業しています。
マンガ喫茶のような「コミック・書籍・飲食」はありません、いたってシンプルな
かたちで営業しています。
コンビニの三分の一ほどの店舗面積で営業しております。小さく狭い空間ですので、
「ご不満」のお客様のご意見もございました。ご利用前に、一度店内をご覧いただき
確認していただければと思っております。
店内見学のご来店を歓迎しております、ぜひお越しください。

(お知らせ)
「本を売ってください。」
本の買取をしております、買い取れない本もございます。
ご来店前に電話での確認をお願いいたします。

*それではまたお会いしましょう。そして、さようなら。(hiko)

〇愛知県碧南市
☆古本ペーパープラネットで検索してください。
 「読書室Toto」+「ペーパープラネット」と表示されます。

コメント

このブログの人気の投稿

令和6年3月の休業日+臨時休業のお知らせ

2023年12月 年末年始 お知らせ

読書室Toto(トト) ご案内