帝国の慰安婦 朴裕河/パク・ユハ 本の紹介

 性奴隷か売春婦か、議論を重ねても答えはでてこない。
2023年現在も、この二つの言葉で争っているが、もはやこの議論は無意味なのか。

日本の戦後20年過ぎた1960年代ごろから、さまざまな活動家やキリスト教団による
女性の権利運動が活発になり、1970年代のウーマンリブ運動がきっかけとなり
「挺身隊・慰安婦・売春婦」という言葉が政治活動家が主張する「弱者救済」の
一つのアイコンとして社会に拡散された。
その後「挺身隊・慰安婦・売春婦」についてのエッセイ・随筆・小説・論評などの
形で出版され、一般市民に知らせる活動が活発になった。

「挺身隊・従軍慰安婦」問題に関わった、運動家・新聞記者・作家・政治家
田中美津 高橋喜久江 千田夏光 金一勉 宋健鎬 吉田清治 河野洋平
本岡昭次 村山富市 福島瑞穂 松井耶依 青山敦子 植村隆 ・・・
その他多数(敬称略) 沢山の方々が、主義主張を発表してています。

「挺身隊・慰安婦・売春婦」は太平洋戦争当時の事ですが、1945年に沖縄に
停泊しているアメリカ海軍ミズーリの艦上で、降伏文書に調印し戦争は終結した。

戦後78年の時間が過ぎました。日本は戦争に負け、戦勝国・各国に賠償金と
戦後処理の経済協力の名目で「総額1兆300億円」を支払う戦後となりました。
(戦後の賠償金は、国民が収めた税金と、戦時中に国民と契約した様々な保証や
保険金の支払いを無効にして賄われています)

以上、様々な情報が70年以上前から飛び交っています、令和5年現在では、
「当時の事実を語る日本人」はみな死んでしまった、と言っていいでしょう。
事実を知らない後世の人々が、問題を解決するには困難な状況になってしまった。
「昭和生まれの大人」が問題解決をしなかった、むしろ複雑にしてしまい、昭和・
平成・令和が過ぎていきます。

2014年 韓国側から韓国の大学教授(朴裕河/パク・ユハ)が新たな「慰安婦」に
対する提言と論評が出版されました。
朴裕河さんは1957年生まれ(66歳)韓国ソウル生まれで、日本の大学に留学し
博士号を取得した経歴を持つ女性です。

感情論で振り回されている人達に、この本の提言は伝わるのか興味深い。
博士といえども、思考方法は個人的な「バイアスがかかるのは当たり前」を前提に、
明るい未来を描く参考の一つとして、パク・ユハさんの提案を読んでみませんか。


書名:帝国の慰安婦 植民地支配と記憶の闘い
著者:朴 裕河 パク・ユハ
出版:朝日新聞出版
発行:2014年11月30日 第1刷
   2019年08月30日 第12刷発行
定価:2100円+税
*四六判 324ページ 厚さ2.5センチの紙の本です。

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